日経テレ東大学の第四話が面白かったという話

どうもshigoroxです。

遅くまで残業に追われて、げんなりして帰ってきた今日この頃、Youtubeでも見るかとPCを立ち上げてブラウザを開くとあいつが出てきます。

ひろゆき・オブ・ザ・西村。最近、俺のYoutubeのトップ画面がこいつに汚染されているんですけど、Googleの評価アルゴリズムはきちんと機能しているのでしょうか。

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https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hiroyuki_Nishimura%27s_dinner_20110506.jpg

出来心で切り抜き系の動画をいくつか覗いてみたのがよくなかったようです。その過ちでYoutubeは俺のことをひろゆき好きな人間だと判断したらしく、トップ画面がひろゆきの顔面に制圧されてしまいました。「なんだろう……俺の目の前に現れるのやめてもらっていいですか?」って感じです。

ひろゆきが単体で登場している動画は(俺が確認した限り)ただの無双系動画なので面白くありません。ひろゆきが強いというより構造的にひろゆきに反論する人間がいないので、無双なのです。だって、ひろゆきのファンが見に来てる動画で、登場人物はひろゆき1人しかいないんだもの。あることないこと言い放題です。

ひろゆきが登場している動画の面白さはひろゆきが黙っている時間が長いかどうかで決まる、というのが持論です。ひろゆきの習性の一つに、「勝てると思った相手にのみ徹底的に攻撃を仕掛ける」という雑魚狩り特性があるので、ひろゆきが意気揚々としている動画はたいてい話し合いになっていないことが多く、壮大な一人芝居になっています。

そんなひろゆき関連動画の中で、面白いなと思ったものが一つあったので、ご紹介します。日経テレ東大学というチャンネルの「FACT&BEYOND」という動画の#4。

www.youtube.com

ひろゆきがでしゃばりすぎない感じがちょうどいいです。経済の専門家である藤野英人さんとファシリテーターである成田悠輔さんのやり取りがいいですね。「なぜ日本ではアメリカのような優秀なベンチャー企業が生まれなかったのか」という問いから議論がスタートするのですが、最終的にはアメリカや中国のような巨大資本に立ち向かうのは難しいから、日本は独自路線を貫くべきだという答えを提示しています。

一見すると問いから逃げているようにも見える結論ですが、俺的にはしっくりくる部分が多かったです。今からアメリカ、中国と同じやり方を行って挽回を図るのは愚策でしょう。米中のような大国がインフラやハードな技術を独占するようなマクロ路線で行くのなら、日本はどんどんニッチ化していって、狭く深くなっていけばいいのです。

終盤、成田さんが「珍味としての日本の魅力」に言及していますが、文化という観点で見ると、日本は「わが道を行く」な点が強みなのではないでしょうか。世界的にマーベル映画が大ヒットを飛ばす中で、日本は『名探偵コナン』がヒットするという謎の減少であったり、コロナ禍で謎のブームを巻き起こす『鬼滅の刃』であったりと、日本のコンテンツ産業はまさにガラパゴスです。

閉鎖的で島国気質。外部との関わりを持ちたがらないマイペースな国。人口減少によって経済成長が絶望的になった今だからこそ、周囲を気にしない路線が輝くのかもしれません。

……俺としたことが、主語の大きな議論をしてしまい大変お恥ずかしい限りです。ただ、個人の生き方としても同じようなことはいえるんじゃないでしょうか。日本の社会というのを単体として切り取ってみると、都市インフラや生産資源などのハードな部分はほぼ大企業に占有されています。そんな少数のお金持ちな存在に対して個人がどう立ち向かうか? ということを考えた際に、上で挙げられた結論と同じように大企業のまねごとをするのではなく、自分たちのやりたいようにするのが答えである気がします。要するに小さなコンテンツを作ったり、自分の好きなものを紹介したりなどの手のひらに収まるような経済戦略を取ることによって、没落していく中で無駄な競争を避けながらそれなりの暮らしができるのではないかというわけです。

早い話、思うように生きろということじゃないでしょうか。当たり前すぎてつまらない話ですね。豊かさの意味が問われる時代だと思っています。